2017年オフ、ポスティングシステムを利用してMLB挑戦を表明した大谷が選んだのは、ロサンゼルス・エンゼルスだった。ヤンキースやドジャースといった伝統あるメガクラブではなく、あえてエンゼルスを選んだ理由はシンプルだった。二刀流としての起用を約束し、具体的な登板間隔やDHでの出場スケジュールを提示できたからである。
エンゼルスでの6年間は、栄光と試練が交錯する時間となった。1年目の2018年にア・リーグ新人王に輝いたものの、直後に右肘のトミー・ジョン手術を経験。2019年と2020年はリハビリと打撃不振に苦しみ、二刀流限界説が再び浮上した。
しかし、2021年に全開となった。投手として9勝、打者として46本塁打を記録し、ア・リーグMVPを満場一致で受賞。2023年には投手として10勝、打者として44本塁打を放ち、日本人初のMLB本塁打王に輝いた。チームはポストシーズン進出を逃し続けたものの、大谷は個人のパフォーマンスによってMLB全体のアイコンへと登り詰めた。