振り返れば、大東駿介の役者人生は常に強烈な個性の発露とともにあった。映画『クローズZERO II』で見せたギラついた存在感と鋭利な眼光は、同世代の若手俳優の中でも異彩を放っていた。単なる美男子の枠に収まらない、どこか危うさと哀愁を帯びた佇まい。それが彼の天性の武器だった。
NHK大河ドラマ『いだてん〜東京オリムピック噺〜』では、時代のうねりの中で情熱を燃やす実在の人物を熱量高く演じ切り、映画『37セカンズ』では身体障害を持つ主人公の心に寄り添う福祉車両のドライバー役を繊細に演じて国際的な評価を集めた。痛みを抱えた人間に寄り添うような芝居の深さは、日本のテレビドラマ・映画産業において唯一無二のポジションを確立させ、彼を上質なヒューマンドラマに欠かせない役者へと押し上げた。