この店を語る上で絶対に外せないのが、創業以来の看板メニューであるオニオングラタンスープだ。一口含んだ瞬間に広がる深いコクと飴色玉ねぎの極上の甘みは、気の遠くなるような仕込み作業の賜物である。
シェフたちは毎日、大量の玉ねぎをじっくりと時間をかけて炒め上げ、伝統的なフォンドボーと合わせて旨味を凝縮させる。上には香ばしく焼かれたチーズとバゲットが載り、熱々の状態でテーブルへと運ばれてくる。効率化やコスト削減が叫ばれる現代の飲食業界にあって、こうした手間暇を一切惜しまないクラシックスタイルを貫く姿勢は、食べる者の心に強く響く。