とはいえ、完全にこの慣習が消え去ったわけではない。人生の節目において、親や親族との意見の食い違いに悩む若者も少なくない。結婚式や新居への引っ越し、赤ちゃんの「お宮参り」など、家族が関わるイベントでは、依然として年長者からの「大安にしなさい」というプレッシャーが存在する。
この対立は、単なる吉凶の信じる信じないの問題ではない。古い慣習を「マナー」や「気配り」として捉える年長世代と、それを「無駄なコストと手間の要因」と捉える若者世代との、価値観の深い断絶を表している。相互理解を得るためのコミュニケーションコストが、新たな課題となっている。