筋肉を一定の力で収縮させている間、腕の血管は一時的に圧迫され、血流が抑制された状態になる。そして2分が経過し、握った手をパッと解放した瞬間、滞っていた血液が勢いよく血管内を流れ出す。この血流の急激な再開こそが、血管内皮細胞に強力な摩擦刺激(せん断ストレス)を与えるのだ。
この刺激を受けた血管の内皮細胞から大量に放出されるのが、いま医学界で「若返り物質」として熱い視線を浴びる一酸化窒素(NO)である。放出された一酸化窒素(NO)は平滑筋をゆるめ、強力な血管拡張作用を発揮する。つまり、一時的な血流ストップと開放のギャップを利用して血管そのものを自前で広げ、しなやかにほぐすスイッチを入れているわけだ。