インターネット上の病院ランキングを見る際、多くの人が陥りがちな3つの典型的な誤解が存在します。
誤解①:「手術件数が多い病院ほど、どんな患者にも適している」
年間手術件数が多い病院は確かに技術が高水準ですが、進行度や基礎疾患(重篤な心疾患、糖尿病、高齢など)によっては、通院負担が少なく地域医療連携が手厚い近隣の地域がん診療連携拠点病院のほうがQOL(生活の質)を保てる場合があります。遠方の名門病院に通い詰めるあまり、体力低下や緊急時の対応遅れを招くリスクは軽視できません。
誤解②:「ロボット手術は開腹手術よりも常に生存率が高い」
ロボット支援下膵頭十二指腸切除術は、出血量の低減や入院期間の短縮といった「低侵襲性」において極めて優れた利点を発揮します。しかし、がんの根治性(腫瘍を取り残さずきれいに取り切ること)に関しては、進行がんや広範な血管浸潤を伴う症例においては依然として経験豊富な外科医による開腹手術が確実である場合も多いのが現実です。最新技術への過信ではなく、病状に適したアプローチを見分ける姿勢が求められます。
誤解③:「膵臓がんと診断されたらもう助からない」
かつての悲観的なイメージは過去のものです。現在は術前補助療法、術後アジュバント化学療法(S-1単剤やmFOLFIRINOX)、さらに遺伝子パネル検査に基づく分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬の導入により、長期無増悪生存を維持する患者が確実に増加しています。