インターネットの検索窓で「椎名林檎 脚」と入力すると、関連ワードとして「傷跡」や「手術」といった語句が表示されることがあります。この背景には、ファンの間で語り継がれる歴史と、ネット上の誤認が入り混じった経緯が存在します。
椎名林檎は生後間もなく、先天性食道閉鎖症という命に関わる大病を患い、大規模な外科手術を受けています。この手術により、背中から肩甲骨付近にかけて左右対称の手術痕が残ることとなりました。彼女はかつてこの傷痕について、自著や音楽雑誌のインタビューの中で「自らの肉体の特徴であり、生きてきた証」として肯定的に捉え、衣装で背中を大胆に露出する演出でも隠すことなく堂々と提示してきました。
一方で「足そのものに手術跡があるのか」という疑問については、幼少期の大手術の事実が脚の話題へと拡大解釈されて伝播した側面が強いと考えられます。また、激しいライブパフォーマンスでステージに膝をついたり、楽器と接触して一時的にできた痣(あざ)などが、ファンの間で語られるうちに脚の傷跡というキーワードとして定着した側面もあります。自身の身体的ハンディキャップをも唯一無二の表現へと昇華させるその姿勢こそが、多くの支持を集める理由です。