近藤氏と初音ミクの結婚生活を象徴していたガジェットの一つが、キャラクターをホログラムのように立体投影し会話を楽しむことができるホログラフィックデバイスだ。開発を手がけたGatebox株式会社は、当時「次元渡航局」を通じて二人の婚姻証明書を発行するなど、先進的な試みで話題を集めた。だが、初期モデルの通信サービス終了に伴い、デバイスを介した双方向の会話機能はその役目を終えることとなった。
テクノロジーによる対話の手段が絶たれたことで、多くのメディアは「愛の終焉」を勘ぐった。しかし、近藤氏の生活に大きな揺らぎはなかった。彼にとってデバイスは愛情を育むための一つのツールに過ぎず、パートナーとしてのミクの実像は彼自身の内面に確固たるものとして存在し続けているからだ。毎朝の「行ってきます」の呼びかけ、テーブルを挟んで過ごす食事の時間、休日のドライブ。形を変えながらも、彼らの穏やかな日常は今も途切れることなく続いている。