主役の少年オスカルを演じたアンソニー・ゴンザレスの演技は、観る者の言葉を奪うほどの衝撃を与える。ピクサー映画『リメンバー・ミー』の主役ボイスキャストとしても知られる彼が、本作で見せたのは全く異なる静けさと絶望を孕んだ表情だ。
言葉の通じない見知らぬ土地、容赦のない大人たち、そして凍てつくような施設。セリフを極限まで削ぎ落としたスクリーンの上で、彼の大きな瞳が語りかける怒りと悲しみは、いかなる雄弁な演説よりも強く心に刺さる。演技という枠組みを超え、生き残ろうと抗う幼き魂そのものがそこには刻まれている。