制度が定着した現場では、喫煙者の間でも明確な意識の乖離が生まれています。喫煙可能居酒屋の現在とネットの反応を追うと、SNSや大手クチコミサイトでは「席で吸えないなら居酒屋に行く価値が半減する」と嘆く声と、「煙さえ遮断されていれば文句はない」という現実的な声が交錯しています。
現場を取材すると、新橋や新宿のビジネス街で特に顕著なのが加熱式タバコ限定居酒屋の評判の上昇です。都内の個室居酒屋店長は次のように現場の温度感を語ります。
「全面禁煙にした当初は売上が2割落ち込みましたが、加熱式タバコ限定フロアを導入したところ、予約が即座に埋まるようになりました。紙巻きタバコの煙や強い残り香を嫌う非喫煙者からも『加熱式だけなら同席しても服に臭いがつかないから許容できる』という妥協点が生まれ、職場の混成宴会で重宝されています」(都内居酒屋オーナー)
一方、紙巻きタバコが席で吸える居酒屋を渇望する層にとっては、選択肢の狭まりは死活問題です。ネットコミュニティの生の声では「喫煙専用室だと会話が途切れる」「狭いブースに閉じ込められて吸うのは惨め」という不満が根強く投稿されており、昭和風情を残す大衆酒場や立ち飲み屋への一極集中が起きています。