なぜ池袋なのか。その問いに対する答えは、街の地層そのものにある。秋葉原が極限まで二次元へと純化し、原宿がハイブランドと海外観光客に占拠された現在、泥臭い自己顕示欲とクリエイティビティが交差する余白を残しているのは池袋東口エリアをおいて他にない。
乙女ロードを擁する文化的な土壌と、近年再開発が進む劇場型都市の性格が、奇妙な化学反応を起こしている。アニメカルチャーとリアルなストリートファッションの境界線が完全に崩壊したこの街では、制服を着た少女たちが表現者として立つことに何の違和感もない。審査会場の窓の外を見下ろせば、コスプレイヤーと劇場へ向かう観客、そしてオーディションの合否を待つ若者たちが同じ歩道を行き交っている。池袋という街は、虚構と現実の危ういブレンドを最も寛容に受け入れる巨大な実験場なのだ。