国会議員が利用する宿舎のなかでも、とりわけ知名度が高いのが港区赤坂に位置する衆議院赤坂議員宿舎と、千代田区紀尾井町に位置する参議院清水谷議員宿舎です。これらの宿舎が立地する場所は、民間ディベロッパーが喉から手が出るほど欲しがる都心の中枢エリアにほかなりません。
民間物件の賃貸市場と比較すると、その価格差は目を疑う水準です。民間不動産市場において、赤坂や紀尾井町で80平方メートル前後の3LDKを借りようとすれば、一般的な議員宿舎の家賃相場である周辺民間相場の目安である月額40万円〜60万円以上が相場です。築浅のハイグレードタワーであれば70万円を超える物件も決して珍しくありません。
国家公務員宿舎法などの規定に基づいて設定されている議員側の負担額は、衆議院赤坂議員宿舎が約12万円〜13万円台、参議院清水谷議員宿舎が約15万円台という極めて低廉な設定にとどまっています。かつて港区南青山の超一等地に構えていた青山議員宿舎(衆議院青山議員宿舎)が老朽化や売却論争で注目を浴びた際も同様でしたが、周辺エリアの相場と比べると実に3分の1から4分の1という異次元の安さです。
民間企業に勤める一般生活者が都心部で同じ広さに住もうとすれば、手取り収入の多くを家賃に投じるか、郊外から何時間もかけて満員電車で通勤せざるを得ません。この歴然たる格差こそが、国民感情を逆なでする最大の火種となっています。