かつて若者たちの間では、倍速視聴や要約サービスの利用など、タイムパフォーマンス(タイパ)の最大化が正義とされていた。しかし、肉体の改造にショートカットは存在しない。ステロイドなどの薬物に頼らない限り、筋肉を1キログラム増やすには地道なトレーニングと適切な栄養摂取、そして十分な睡眠を何ヶ月も積み重ねる必要がある。
この「タイパの悪さ」こそが、逆に若者たちを惹きつけている。クリック一つで何でも手に入る時代だからこそ、手に入れるのに時間がかかるもの、他人が代わりにやってくれないものに価値が生まれる。自分の汗と時間だけでしか手に入らない引き締まった身体は、現代における最も贅沢なステータスシンボルなのだ。