国内が消費社会の華やかさに浮かれる一方で、世界情勢は緊迫の度を増していた。フォークランド紛争の勃発や、米ソ冷戦の激化。テレビのニュース番組では、常に核戦争の脅威や国際紛争が報じられていた。日本は戦後復興を完全に遂げ、経済大国としての地位を不動のものにしつつあったが、その繁栄は常にガラス細工のような危うさと隣り合わせだった。
この「いつ壊れるかわからない日常」という空気感こそが、当時の若者たちの刹那的な消費行動や、どこか冷めた都市型ポップスの背景にあった。光が強ければ強いほど、影もまた濃くなる。そのコントラストこそが、この時代のカルチャーに深みを与えている要因なのだ。