芸人として全く芽が出ず、廃業すら考えていた20代後半の小籔。当時の月収は9000円や2万円といった惨状だった。そんな彼に「結婚しよう」と逆プロポーズに近い形で手を差し伸べたのが彼女だ。「私が働くから芸人を続けて」というテンプレートな美談ではない。彼女のスタンスはもっと現実的で、かつ腹の据わったものだった。
「売れなくてもいいから、おもろいことだけやって死んで」
この言葉が、どれほど小籔の肩の荷を軽くしたか。生活の安定よりも、夫の才能と情熱を信じ切る。その圧倒的な覚悟が、崖っぷちにいた彼を新喜劇のトップへと押し上げる原動力となった。