父が命をかけて守り抜こうとした歌舞伎の未来は、息子の勘九郎と七之助、そして門弟たちへと見事に引き継がれている。勘三郎が立ち上げた「平成中村座」は、今や日本国内のみならず、世界中で新たなファンを獲得し続けている。テント小屋という原点回帰のスタイルで、観客と役者が一体となるあの熱気は、今も色褪せることなく劇場に満ちている。
長男の勘九郎は、父を彷彿とさせる圧倒的なエネルギーと確かな技術で劇場を引っ張り、次男の七之助は、その美しさと繊細な演技で現代歌舞伎の女形を牽引する。彼らの姿の中に、観客はいつでも十八代目中村勘三郎の面影を見出すことができる。血脈だけでなく、魂の継承こそが、彼がこの世に残した最大の遺産である。