かつて昭和・平成の時代に蔑まれた「ヒモ」のイメージは、家事もせずギャンブルに溺れ、女性に暴力を振るうような粗暴な存在だった。しかし、現在のトレンドは全く異なる。彼らは徹底した「ギバー(与える人)」なのだ。掃除、洗濯、料理といった家事全般をプロレベルでこなし、パートナーが帰宅した瞬間に完璧な癒やしを提供する。いわば、プライベートな専業主夫であり、パーソナルセラピストでもある。
都内のIT企業でマネージャーを務める女性(32)は、「外で戦ってボロボロになって帰ってきたとき、部屋がピカピカで、温かいご飯があって、話をただ肯定して聞いてくれる存在がどれだけ救いになるか。月数十万円の生活費を払う価値は十分にある」と語る。自立した女性が増えたからこそ、家庭内での「役割分担」としてこの形態が機能しているのだ。