撮影現場を知るスタッフたちの証言によれば、二人の共演シーンにおける集中力は息をのむほど凄まじいものだったという。リハーサルで見せる何気ない会話から本番への切り替えの速さ、そしてカットがかかった瞬間に見せる温かい笑顔。現場を包み込む和やかな空気感と、カメラが回った瞬間に漂う真剣勝負の緊張感が絶妙なバランスで共存していた。
互いの役作りに対する姿勢を尊重し合い、現場では余計な言葉を交わさずとも意図を察し合っていたという。日本映画史の歴史に刻まれた感動の名場面の数々は、こうした舞台裏での揺るぎない信頼関係と、妥協を許さないプロ意識によって築き上げられた芸術的産物だったのだ。