館内の直販エリア「黄門の郷」に足を踏み入れると、まず目を奪われるのが整然と並べられた朝採れ野菜の色彩だ。地元の農家たちがその日の早朝に収穫したばかりのトマト、ホウレンソウ、大根が、驚くほどの芳醇な香気を放ちながら棚を彩る。不揃いな形のものも混ざるが、それこそが流通のコストを極限まで削ぎ落とし、鮮度を最優先した証拠に他ならない。
そして、フードコートで圧倒的な一番人気を誇るのが、常陸太田が全国に誇る「常陸秋そば」である。玄そばの最高峰と評される地元産の粉を贅沢に使用し、職人が丁寧に打ち上げた麺は、甘みと香りの立ち上がりがまったく違う。一口啜れば、太田の豊かな大気が育んだ芳醇な蕎麦の風味が口いっぱいに広がり、添えられた地場産野菜の天ぷらとの相性も抜群だ。遠方からわざわざこの一杯のために車を走らせてくるリピーターが後を絶たないのも、食した瞬間に納得できる。