健康保険法に基づく傷病手当金制度は、被保険者が業務外の病気やケガにより療養し、労働に従事できない期間の生活を保障する公的給付である。不妊治療そのものは体質改善や選択的医療とみなされる場合もあるが、治療に伴う強い副作用や併発症状、あるいは医師が療養を必要と認めた状態であれば支給対象になり得る。厚生労働省のガイドラインでも、医師の診断に基づき労務不能と判断されれば給付の対象となり得ることが明確に示されている。
受給にあたって満たすべき基本要件は極めてシンプルだ。第一に「業務外の病気・ケガのための療養であること」、第二に「仕事に就くことができない状態(労務不能)であること」、第三に「連続する3日間を含む4日以上休業していること」、そして第四に「休業期間中に給料の支払いがないこと」である。ここで鍵を握るのが主治医による客観的な見解だ。単に通院日程の都合で休むのではなく、身体症状や精神的負荷によって働けない状態にあることを医学的に証明してもらうことが前提条件となる。