多くの日本人が「リーゼント」と呼ぶあの髪型、実は本国アメリカや欧州での名称とは大きく異なる。本来、前髪を大きく膨らませて後方へ流すスタイルはポンパドールと呼ばれ、サイドの髪を後ろに整えて後頭部で合わせるラインこそがロンドンの「リーゼント・ストリート」に由来する本来のリーゼントだ。日本ではこの二つが融合し、ひとつの様式美として定着した。
このスタイルの世界的な爆発点となったのが、1950年代に一世を風靡したエルヴィス・プレスリーである。彼が体現したロカビリーのビートと過激なアクションは、音楽だけでなく若者のヘアスタイルや反逆のファッション概念そのものを根底から塗り替えた。