北極圏の冷たい風が吹き抜けるスウェーデン・ストックホルム。老舗として知られるBukowskisオークションのプレビュー会場には、極上のコンディションを保った家具を買い求めようと、世界中からバイヤーが詰めかける。かつて日常の道具として作られたプロダクトが、今や美術品と同等の価格帯で取引される光景は、もはや珍しくない。
市場で高評価を受ける最大の理由は、素材の枯渇と圧倒的な手仕事の希少性だ。1950年代から60年代にかけて作られた北欧ヴィンテージ家具には、現在では伐採が厳しく制限されているワシントン条約対象の高級木材が惜しみなく使用されていた。使い込むほどに飴色へと変化した木肌は、工芸品的な美しさだけでなく、インフレ耐性を持つ実物資産としての魅力を強烈にアピールしている。