朝起きて真っ先にスマホを開き、未読バッジや「いいね」の数を確かめる——そんなルーティンに疑問を抱く人が急増している。2026年代前半まで猛威を振るったSNS中毒は、個人の集中力や睡眠の質を容赦なく削り取っていった。AIによるレコメンド機能が極限まで高度化した2026年現在、タイムラインはユーザーの感情を最も揺さぶる情報で溢れかえり、意識的に距離を取らなければ感情のコントロールすら難しくなっている。
こうした背景から浮上したのが「デジタル静寂(Digital Silence)」という概念だ。かつては一時的な「デジタルデトックス」が話題となったが、現在はより根本的な「完全離脱」へと舵を切る人が増えている。画面越しのアテンションエコノミー(関心経済)に自分の人生を差し出すのをやめ、意識の主導権を自分のもとに取り戻す動きが活発化しているのだ。