日本の女子シングル界において、世界に強烈なインパクトを与えた金字塔といえば、2006年トリノ五輪における荒川静香の戴冠だ。代名詞となったイナバウアーの優美な反り返りと、極限の重圧下で見せたノーミスの演目『トゥーランドット』。アジア人初の金メダル獲得という快挙は、日本中のスポーツファンを熱狂の渦に巻き込んだ。
そして時代は、ライバル同士による壮絶なデッドヒートへと突入していく。高難度のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を武器に果敢な挑戦を続けた浅田真央と、圧巻のスピード感と完璧なエレメンツ構成で世界を圧倒した韓国のキム・ヨナ。2010年バンクーバー五輪での二人の激突は、まさにフィギュア史に残る世紀の一戦だった。ソチ五輪のフリースケーティングで見せた浅田の伝説的な復調演技『ラフマニノフ』は、メダルの有無を超えて世界中の人々の胸を打ち、今も語り継がれる。