人口減少が進む地方において、地方鉄道事業を維持・発展させるのは容易なことではない。赤字路線の廃線議論が全国各地で沸き起こる中、福井県は公有民営方式の積極的な活用やインフラ整備への公的支援を通じて、鉄路を守り抜く姿勢を鮮明にしてきた。杉本達治知事は政策討議の場で、地域公共交通を単なる損益計算で評価するのではなく、地域経済の基盤であり市民の権利であると繰り返し主張している。
行政と鉄道事業者が一体となった支援体制があるからこそ、今回の車両投資や相互直通運転の拡充が可能となった。自治体がインフラを保有し、事業者が運行に専念する仕組みは、全国の地方都市が抱える課題に対する一つの明確な解答だ。地域住民もまた、マイカーに依存しすぎない暮らし方を選択することで、この鉄路を支える当事者となっている。