現場取材で見えてくるのは、エリアによって全く異なる買収の動機と地元住民の複雑な胸中核です。
世界的なスキーリゾートへと変貌を遂げた倶知安町やニセコ町では、オーストラリア資本に端を発した開発熱が、ここ数年で中国・香港・シンガポールなどのアジア系メガ資本へとシフトしています。高級ホテルやプライベートジェット客向けのコンドミニアム建設が相次ぎ、冬期には1泊数十万円の部屋が予約で埋まる活況を呈しています。
しかし、その陰で地元コミュニティには軋轢が生じています。「地価が上がりすぎて地元の若い世代が家を建てられない」「固定資産税の急激な上昇で長年住んできた住民が手放さざるを得ない」といった現象が起きており、観光産業がもたらす外貨獲得の恩恵と生活環境の変容の間で激しい葛藤が続いています。
一方、山間部の森林や水源地を巡る実態は様相が異なります。一部で危惧された「日本の水をタンクローリーで丸ごと本国へ運び出す」といった運用は、運送コストや採算性の面から現実的ではありません。多くは「別荘地開発の構想」「メガソーラーやバイオマス発電事業」「将来的な転売を目的とした長期保有」です。しかし、取得後に適切な間伐などの管理がなされず、境界杭が曖昧なまま放置されるケースがあり、森林の荒廃や防災上の懸念が地域課題として浮上しています。