どれだけ立派な園舎を建てても、そこで働く人間がいなければ機能しない。保育士の有効求人倍率は依然として高い水準を維持しており、現場のマンパワー不足は限界に達している。低賃金と過酷な労働環境、そして人命を預かるという重い責任のバランスが完全に崩れているのだ。
配置基準の見直しなど、政府による処遇改善策も打ち出されてはいるが、現場の皮膚感覚としては「焼け石に水」だ。離職率は高止まりし、ベテラン保育士の退職によってサービスの質や安全性の維持すら危ぶまれる園も少なくない。親の安心を支える土台そのものが、今にも崩れそうな砂上の楼閣となっている。