湯船の縁に腰掛け、そっと足を沈める。肌に絡みつくような心地よい重み。地下約1500メートルの深層から湧き出ているのは、弱アルカリ性の「ナトリウム塩化物強塩温泉」だ。都内の日帰り温泉では珍しいウグイス色の濁り湯で、空気に触れることでその神秘的な色合いを深めていく。
何より贅沢なのは、加水も循環ろ過も一切行わない正真正銘の「源泉掛け流し温泉」が露天風呂の主役に据えられている点だろう。湯口から絶え間なく注がれる湯は塩分濃度が極めて高く、湯冷めしにくい抜群の保温効果を誇る。微かな鉄分と塩の香りに包まれながら湯煙の向こうを眺めていると、ここが東京23区内であることを完全に忘れてしまう。