原作が書かれた昭和の時代から時が流れても、人間が抱える権力欲や組織の閉塞感は本質的に変わらない。テレビ朝日が手掛けた本作は、最新の医療技術や現代のインフォームドコンセントといったテーマを取り込みながらも、山崎豊子が突きつけた原点のテーマ性を一切ブレさせずに描き切った。
単なる娯楽としての医療ドラマの枠組みを打ち破り、医療過誤、裁判、そして人間の尊厳とは何かを問う骨太な社会派ドラマとして昇華されている。現代の視聴者が観ても一切の時代遅れを感じさせないのは、制作陣とキャスト陣が人間の本質という普遍的なテーマに真っ向から向き合った証左と言える。