メキシコの覆面レスラー(ルチャドール)が着用する煌びやかなマスクとは一線を画す、シンプルかつ怪奇な白覆面。ザ・デストロイヤーのアイデンティティそのものであるあのマスクには、誕生にまつわる衝撃的な逸話が存在する。
元々シラキュース大学でマスターズ号を取得したエリートフットボール選手であった彼がプロレス界入りを果たした際、素顔を隠すために用意された最初の一枚。それはなんと、女性用のガードル素材を裁断して即席で作られた代物だった。伸縮性とフィット感を追及した結果生まれたあの白と赤の意匠は、偶然と必然が織りなした産物だったのである。
汗を吸うと重くなり視界を奪う過酷なウール素材でありながら、試合中に決して脱げない特殊構造。額に刻まれた縫い目や、対戦相手を睨みつける鋭い目のカットは、対峙する者に強烈な心理的圧迫感を与え続けた。