『瞬き』を語る上で欠かせないのが、歌い出しで提示される極めてストレートで哲学的なフレーズです。
「幸せとは 星が降る夜と眩しい朝が 繰り返すようなものじゃなく 雨に傘を差せる事だ」
作詞・作曲を手掛けた清水依与吏は、当時のメディアインタビューや公式コメントにおいて、この楽曲を生み出す過程で直面した壮絶な産みの苦しみを明かしています。「実話に基づくあまりにも尊く重い物語を前にして、生半可な綺麗事やありきたりな応援歌では決して太刀打ちできない」という強烈なプレッシャーの中で、彼が辿り着いた境地がこの冒頭の一節でした。
ロマンチックな天体ショーや輝かしい日常の連続だけが幸せなのではなく、大切な人の頭上に冷たい雨が降り注いだとき、隣に立って迷わず傘を差し出す覚悟を持てること。自己満足のポジティブさではなく、「苦境にある他者への具体的な行動と献身」こそが真の幸福であるという定義は、多くのリスナーの価値観を揺さぶる決定打となりました。