市川染五郎を語る上で欠かせないのが、歌舞伎界随一の名門である高麗屋の家系図です。
祖父は重要無形文化財保持者(人間国宝)であり、現代演劇界の生ける伝説である二代目松本白鸚。そして父親は、古典の継承のみならず新作歌舞伎やラスベガス公演など革新的な挑戦を続ける十代目松本幸四郎です。さらに、父の妹である叔母には女優の松たか子、松本紀保が名を連ねており、まさに日本を代表する芸術一家の中で育ちました。
2018年1月、歌舞伎座で挙行された「高麗屋三代襲名披露興行」は大きな歴史的節目となりました。祖父が九代目松本幸四郎から二代目松本白鸚へ、父が七代目市川染五郎から十代目松本幸四郎へ、そして自身が四代目松本金太郎から八代目市川染五郎へと同時に名を改めた瞬間は、日本中の歌舞伎ファンを熱狂させました。染五郎は「父や祖父と同じ舞台に立ち、その背中を最も近くで見られる環境は何物にも代えがたい財産」と語り、伝統の重みを背負いながら自らの芸を磨き上げています。