1990年代後半、雑誌の部数低迷が懸念されていた週刊少年ジャンプにおいて登場した『ONE PIECE』は、王道バトル・ファンタジーの最高峰として読者を魅了し続けてきた。熱い友情、緻密に伏線が張り巡らされた世界観、そして圧倒的なスケールの冒険ストーリーは、少年漫画の概念を再定義した。
版元である集英社は、単なる出版社としての枠組みを超え、IPの価値を最大化するグローバルブランド管理会社として機能している。著作権侵害に対する厳格な法的保護や海外出張所を通じた販路拡大、デジタルプラットフォームの最適化など、集英社が築いたインフラが尾田氏のクリエイティブを支え、収益の最大化に貢献している。
半世紀近くにわたりトップを走り続ける少年漫画として、そのブランド価値は一企業に匹敵する。作品そのものが持つ文化的資産価値と、それをビジネスとして成立させる出版社との強固なパートナーシップこそが、他者の追随を許さない巨額資産の源泉となっている。