オープンキッチンの中央に鎮座する巨木のようなチャコールグリル。オープン以来、この店の象徴として君臨する3メートルのグリル台では、職人が炭の火力をミリ単位で見極めている。炎の揺らめき、滴り落ちる脂が上げる香ばしい煙、そして表面を香ばしく焼き上げる軽快な音。視覚と嗅覚を強烈に揺さぶるこのステージングこそ、ディナーの幕開けにふさわしい。
強火で表面を瞬時に焼き固め、肉汁を閉じ込める。その後、低温ゾーンでじっくりと休ませながら火を通す技法は、まさに長年の経験が生む職人技だ。皿に盛られたカットから溢れ出す旨味の濃密さは、家庭や一般的なグリルレストランでは決して再現できない次元にある。