人間と動物の双方に感染する病気は人獣共通感染症(ズーノーシス)と呼ばれますが、アライグマはその温床とも言える野生動物です。北米原産の外来種であるアライグマは、日本国内の生態系に天敵が存在せず、都市部の残飯や果樹を食べて爆発的に繁殖を続けています。
気になる「アライグマの病原菌保菌率」について、地域や個体群ごとの調査結果を見ると極めて警戒すべき実態が浮き彫りになっています。特定の地域では捕獲された個体の数十%以上から寄生虫や抗体が検出される事例が報告されており、野生個体に遭遇した場合「ほぼ何らかの病原体を保有している」と想定して行動するのが公衆衛生上の鉄則です。
アライグマ被害による人体への影響は、軽微な皮膚炎にとどまらず、中枢神経の破壊、急性腎不全、さらには多臓器不全による死亡例まで多岐にわたります。外見の愛らしさに惑わされ、不用意に餌付けをしたり接触を試みたりすることは、自ら危険な感染源に飛び込む行為に他なりません。