刑事裁判では、犯行当時の責任能力とともに、家族間トラブルに起因する突発的な犯行に対して「死刑」を適用すべきかどうかが最大の争点となりました。
2011年12月の一審・広島地裁(裁判員裁判)は、計画性の低さや反省の態度を認めつつも、「生後9ヶ月の乳児を含む3名の尊い命を奪った結果は極めて重大であり、犯行態様も執拗で残酷」として、検察側の求刑通り死刑判決を言い渡しました。これは、広島地裁の裁判員裁判としては初の極刑判断でした。
弁護側は「義母からのストレスによる適応障害の影響があり、突発的で情状酌量の余地がある」として量刑不当を訴えて控訴しましたが、2013年3月の広島高裁も一審判決を支持して控訴を棄却。そして2014年9月、最高裁判所第一小法廷が上告を棄却したことで、奥本章寛の死刑が正式に確定しました。
最高裁の判決理由では、動機形成の過程に一定の同情すべき点があることを考慮しても、何の落ち度もない妻と幼い我が子まで道連れにした残虐性や結果の重大性を前にすれば、死刑を選択することはやむを得ないとの判断が下されました。