放送当時、視聴者の度肝を抜いたのはその工法だ。通常の木造や鉄骨造ではなく、現地の土を型枠に流し込んで突き固める「版築(はんちく)」に近い手法や、土壁を多用したデザインが採用された。エコで自然に還る家。そのコンセプトは美しかった。しかし、テレビの画面越しからも伝わるその圧倒的な「異物感」に、多くの視聴者が一抹の不安を覚えたのも事実だ。
設計を手掛けた建築家は、環境負荷の低減と新しい居住空間の創造を目指した。だが、エンターテインメントとして消費されるテレビ番組の枠組みの中で、その実験精神は時に「無謀」と映った。施主のこだわりと建築家のエゴが衝突するスリリングな展開は、番組史上屈指の神回として今なお語り継がれている。