フィクションの流行だけでなく、日本史の表舞台を駆け抜けた武将たちの名跡も、根強い人気を誇る。圧倒的な知名度とカリスマ性を誇る「織田信長」の「織田(おだ)」をはじめ、「真田(さなだ)」「伊達(だて)」といった苗字は、耳にするだけで戦国の戦場を駆ける名馬の息遣いすら感じさせる。
昭和から平成にかけてテレビ文化を彩ってきた「時代劇」もまた、日本人の「かっこいい苗字」に対する美的感覚を形作る上で大きな役割を果たしてきた。悪を成敗する侍や、宿敵として立ちはだかる剣豪の名前に使われた重厚な苗字は、視聴者の記憶に深く刷り込まれている。歴史的背景と武士道の美的価値観が融合した名跡は、時代を超えて現代人の美意識を揺さぶり続けているのだ。