紙巻き煙草から加熱式タバコへと切り替える人が急増している。匂いが少ない、有害物質が減ったという宣伝文句に魅力を感じてのことだろう。しかし、医療機関や行政の見解ははるかにシビアだ。
日本の厚生労働省や世界保健機関(WHO)が発出する報告書では、加熱式タバコであってもニコチン依存そのものを根本解決するわけではないと繰り返し警告されている。タール等の有害化学物質の一部は低減されているものの、脳のニコチン受容体を刺激し続ける構造は変わらない。「煙が出ないから安全」という安心感が、結果として禁煙への心理的ハードルを上げ、依存を長期化させるという逆説的なリスクすら指摘されているのだ。