1980年代から90年代にかけて、加納典明はテレビ業界における最大の劇薬だった。フジテレビジョンのバラエティや情報番組に頻繁に登場し、タブーを恐れない辛口コメントでスタジオを凍りつかせる姿は、お茶の間の記憶に強烈に焼き付いている。
だが、テレビメディアのコンプライアンス強化と自主規制の波は、加納の持ち味であった剥き出しの批評性と激突した。予定調和を嫌う加納が地上波の雛壇からフェードアウトしたのは、誰かに淘汰されたからではない。自らの言葉と視覚表現が薄められる構造に、加納自身が見切りをつけた結果にほかならない。