サッカーのユニフォームに初めて背番号が導入されたのは、1928年8月のイングランド・フットボールリーグ(アーセナル対シェフィールド・ウェンズデイ戦など)と記録されています。当時の名将ハーバート・チャップマン監督らが選手の識別とポジション指示を円滑にするために考案したのが、サッカー背番号の歴史と由来の原点です。
当時は試合ごとにスターティングメンバーが1番から11番を着用する「変動背番号制」であり、当時主流だった「2-3-5(Vフォーメーション)」の配置に従って、最後尾のゴールキーパーから最前線のフォワードへと順番に番号が割り振られました。これが、今日まで受け継がれるサッカー背番号ポジション別役割の基礎構造となっています。
では、なぜ数ある番号の中で「10番」が世界共通のエースナンバーとして崇められるようになったのでしょうか。サッカーエースナンバーの理由を紐解く上で欠かせないのが、1958年スウェーデンワールドカップにおける「神様ペレ」の伝説です。
大会前、ブラジルサッカー連盟がFIFAへ背番号登録リストを提出し忘れたため、FIFAのウルグアイ人役員が独断でランダムに番号を割り振りました。その結果、当時17歳の控え選手に過ぎなかったペレに偶然手渡されたのが「10番」でした。ペレはその大会で準決勝ハットトリック、決勝2ゴールと驚異的な活躍を見せてブラジルを初優勝へと導き、世界中に「10番=最高のフットボーラー」という強烈なインパクトを焼き付けました。
その後、ディエゴ・マラドーナ、ジーコ、ミシェル・プラティニ、ロベルト・バッジョ、そしてリオネル・メッシといった歴史的スーパースターたちが10番を背負い、ピッチ上で魔法のような決定打を生み出し続けたことで、サッカー背番号10番の意味は「チームの心臓であり勝敗を決定づける至高のエース」として不滅のブランドへと昇華しました。