かつてのように各省庁が自前で幹部を決める時代は過ぎ去り、現在の行政・公務員人事における絶対的な影響力を保持しているのが内閣人事局である。制度創設から年月が経過した今もなお、官邸主導による幹部登用方針は極めて強固であり、今回の異動でもその色が色濃く反映された。
とりわけ幹部人選においては、官邸の目指す看板政策にどれだけ従順かつスピード感をもって応えられるかが至上命令とされた。官僚組織の士気向上を図る声がある一方で、若手・中堅官僚からは「官邸の顔色を窺うあまり、現場独自の政策提案が通りにくくなっている」との困惑の声も漏れる。忖度と正論の狭間で揺れる政治・行政の境界線は、今回の人事でも鮮明に浮き彫りとなった。