秩父宮ラグビー場が位置する神宮外苑エリアでは、三井不動産、明治神宮、日本スポーツ振興センター(JSC)、伊藤忠商事の4事業者による大規模な再開発事業が進められています。計画の根幹にあるのは、神宮球場と秩父宮ラグビー場の敷地を相互に入れ替えて建て替えるという前代未聞の手法です。
秩父宮ラグビー場の移転理由として公式に挙げられている主な要因は以下の通りです。
- 施設の老朽化と耐震性・バリアフリー対応の限界:1947年に開場(旧・東京ラグビー場)した歴史を持つ施設であり、増改築を繰り返してきたものの、現代の大規模スポーツ施設に求められる安全性やアクセシビリティの基準を満たすことが困難になっていた点。
- 稼働率の向上と多目的利用:従来の屋外型天然芝スタジアムでは芝の養生期間が必要であり、年間の稼働日数が限られていました。通年利用が可能なエンターテインメント・スポーツ複合施設への転換が図られています。
- 神宮外苑全体の都市更新:明治神宮第二球場の敷地へ新たなラグビー場を先行建設し、その後に現ラグビー場を解体して新神宮球場を建てるという「連鎖的建て替え」によって、興行の中断期間を最小限に抑える狙いがあります。
しかし、半世紀以上にわたり数々のドラマが刻まれた「聖地」の姿が大きく変わることに対し、ノスタルジーを超えた強い反発が生まれる要因ともなっています。