日本の放送メディアを強烈に縛り付けている法制度の象徴が、「放送法第4条」の存在だ。「番組の政治的公平」を定めた同条文は、本来、権力からの介入を防ぐための盾として解釈されるべきものだった。しかし現実には、電波の割り当て権限を握る総務省が放送局に圧力をかけるための武器として利用されてきた歴史がある。
政府高官による「電波停止」に言及した発言や行政指導の示唆は、放送局の経営陣を過剰に萎縮させた。一度「偏向報道」のレッテルを貼られれば、スポンサーの離脱や電波ライセンスへの影響を懸念せざるを得ない。この構造的恐怖が、制作現場における強烈な自主規制を生み出している。政権に批判的なコメンテーターの降板や、過激な政治問題を避けた番組構成は、総務省の影におびえる放送界の必然的な帰結と言える。