胃の調子が悪いと感じたとき、まず疑うべきは日頃の食生活や生活リズムですが、症状の現れ方によって根本原因は大きく異なります。医学的な見地から整理すると、主な原因は大きく4つに大別されます。
第1に、生活習慣や食生活の乱れです。高脂肪食やアルコール、カフェインの過剰摂取、早食いは胃酸の過剰分泌や胃粘膜への直接的な刺激を引き起こします。特に就寝直前の食事は胃内容物の停滞を招き、翌朝の強い胃もたれやむかつきの引き金となります。
第2に、自律神経の乱れによる胃腸障害です。胃の運動や胃酸分泌は交感神経と副交感神経によって緻密に制御されています。過度な精神的ストレスや睡眠不足が続くと自律神経のバランスが崩れ、胃の蠕動運動が低下したり、逆に過剰な胃酸によって自らの胃粘膜を傷つけてしまったりします。
第3に、器質的疾患(目に見える病変)です。胃酸が食道へ逆流して胸焼けや呑酸を引き起こす「逆流性食道炎」や、胃・十二指腸潰瘍、さらにはヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)感染による慢性胃炎などが挙げられます。逆流性食道炎の初期症状の真相として、「胸のつかえ感」だけでなく「原因不明の喉の違和感や咳」として現れることも多く、見落とされやすい傾向があります。
第4に、検査をしても粘膜に潰瘍などの異常が見当たらないにもかかわらず、胃痛や早期飽満感が続く機能性ディスペプシア(FD)です。胃の知覚過敏や胃適応性弛緩の障害などが複雑に絡み合って発症する病態として、近年診断数が増加しています。