タブレットでのデジタルイラストが当たり前となった今、あえて木炭や鉛筆を握り、目の前の石膏像と何時間も格闘する一般向けデッサンワークショップが都内各地で満席を続けている。参加者の大半は、普段ゲーム開発やUI/UXデザインに携わる20代〜30代のクリエイターたちだ。
デジタルツールのやり直し機能に慣れきった世代にとって、紙の上に削られた炭の粉を指でこすり、引き返せない線を一本ずつ重ねていくプロセスは強烈な体験だ。「画面上のピクセルではなく、実際の光が石膏の凹凸に当たって反射する複雑な現象を物理的に観察すること。これこそが感性を呼び覚ます」と、ある参加者は熱弁する。