コミュニケーションの主戦場がテキストや画面越しへと移り変わった現代、LINEのメッセージやり取りやYouTubeの動画配信、さらにはNetflixで配信されるリアルドキュメンタリー番組に至るまで、人々の「自己提示」のあり方は大きく様変わりした。認知心理学の視点によれば、視覚や身体感覚の情報が制限されるデジタル空間では、言葉の端々に滲み出る「自己との距離感」が受け手の印象を強く規定するという。
YouTubeのクリエイターが動画内で自身の名前を多用するのは、視聴者との間に疑似的な親近感(パラソーシャル関係)を短時間で築くための計算された心理テクニックだ。だが、その距離感をそのままビジネスチャットや公式な場所に持ち込んでしまうと、受け手側に認知的不協和を生じさせ、「不快感」や「イタさ」として拒絶される原因となる。プラットフォームの性質や相手との心理的距離を正確に読み解くリテラシーが、今まさに問われている。