美輪明宏さんの代名詞とも言える『黒蜥蜴』や『毛皮のマリー』といった伝説的な舞台公演について、ファンからは「また生の舞台で見たい」という期待の声が絶えません。しかし、舞台芸術は数時間におよぶ立ち回りと強靭な肺活量を要する過酷な現場です。
現在のところ、大規模な長編舞台の全国ツアーなどは体力面を考慮して見送られていますが、特別番組やインタビュー企画などで公開される現在の姿や近影写真からは、象徴的な黄色(黄金色)のヘアスタイルと優美な装い、背筋の伸びた凛とした佇まいが変わらず伝わってきます。
肉体の衰えを隠すのではなく、老いさえも独自の美学へと昇華させる姿勢は、まさに生きる芸術品と呼ぶにふさわしい風格を保っています。