大阪松竹座の総収容人数は1,033席(1階席:551席、2階席:277席、3階席:205席)です。大劇場としては比較的コンパクトに設計されており、どのエリアからでも舞台全体を立体的に捉えやすい構造となっています。しかし、演目や座席の傾斜、手すりの位置によって視界のクオリティは大きく変化します。
歌舞伎をはじめとする和物公演で最も注目されるのが「花道」の見え方です。花道は1階の下手側(客席から見て左側)に設置され、演者が立ち止まって名見得を切る「七三(しちさん)」のポジションは1階7列〜10列の下手寄り席のすぐ目の前に位置します。役者の息遣いや衣擦れの音まで体感できる特等席である一方、1階最前列の下手側や2階・3階の極端な上手側(右側)バルコニー席では、花道の奥まった部分が見切れる「死角」が生じる点に注意が必要です。
双眼鏡(オペラグラス)の選び方として、1階席の後方や2階席であれば視野の明るい6倍〜8倍、3階席から特定のキャストの細かな表情変化まで鮮明に追いたい場合は、手ブレ補正機能付きの8倍〜10倍が最適解となります。過度に倍率が高すぎる(12倍以上)と視界が暗くなり視野も狭まるため、劇場のサイズ感に適したスペックを選択することが鑑賞の満足度を底上げします。