門司港焼きカレーのルーツは、昭和30年代(1950年代)の門司港栄町銀天街にあった喫茶店「山田屋」に遡ります。当時の店主が、余ったカレーをグラタン風にオーブンで焼いて提供したところ、香ばしさとまろやかさが評判を呼び、瞬く間に看板メニューへと成長しました。
明治から大正にかけて国際貿易港として繁栄した門司港には、早くから質の高い西洋料理やハイカラな喫茶文化が根付いていました。スパイスの効いた本格的なルウにチーズと生卵を合わせ、高温で焼き上げるスタイルは、まさに港町ならではの食文化の結晶です。
2000年代以降は地域振興団体「門司港焼きカレー倶楽部」の発足に伴い、各店舗が切磋琢磨して独自のアレンジを競い合うようになりました。表面の焦げたチーズの香ばしさと、底に隠れた半熟卵を崩した瞬間のクリーミーな変化が、多くのリピーターを引きつけてやまない最大の理由です。